2022-05-26
カサンドラ対策をしよう! 前編
自閉症スペクトラム症(アスペルガー・ASD)をお持ちの方がパートナー及び配偶者にいらっしゃる方は、その特性に苦しむことで「カサンドラ症候群」になることがあります。
(カサンドラ症候群の定義については説明しているサイトが多数あるのでここでは割愛します。興味のある方はぜひ検索してみてくださいね。)
カサンドラ症候群になると・・・
抑うつ感・自己評価の低下・無気力感・不眠
片頭痛・めまい・自律神経失調症
など、人によってさまざまな症状が現れます。
ASDさんの特性である
●気持ちを察するのが苦手
●(言葉の裏の思いをとらえるのが苦手なため)会話が通じない
●思ったことをそのまま言う
●臨機応変な対応が苦手
など、ASDさんの特性を日々感じ生活していることで、定型発達(発達障害ではない方)同士では中々味わうことのないストレスが増え、精神的に参ってしまうことがあります。
私も5年間ほどこの「カサンドラ症候群」に苦しめられました。
不眠、抑うつ、イライラ、希死念慮などを経験し、精神科の家族相談も利用しました。
*精神科には発達障害の方のご家族が利用できる「家族相談」を設置しているところがありますので、悩んでいる方は相談してみるとよいかもしれませんね。
「カサンドラ症候群」になってしまうと、本当にASDさんとの日々を過ごすのがしんどくなるし、発達障害を持つ当事者に対して恨みや憎しみみたいな感情すら抱いてしまったりします。
そんなことを避けるためにASDさんと関わるパートナーさんには日ごろから「カサンドラ対策」が必須だと私は思います。(夫が発達障害グレーさんな私も日々「カサンドラ対策」をしています。)
それではここからはカサンドラ対策を書いていきましょう。
ASDの知識を得よう
まずはここから。「自閉症スペクトラム症」の特性を理解することからはじめましょう。
今はネットや本でたくさん知識が載っています。ぜひいくつか読んでみてください。
ASDさんの特性を理解していないと「できること」と「できないこと」がわかりません。
(もちろん個人差は大きいので直接当事者さんと話したり、日常生活を観察してみてくださいね。)
目に見えないだけで自閉症スペクトラム症は脳の機能の問題と考えられています。
あなたも足の不自由な人に「早く走ってよ!」とは思いませんよね?
「やらない」ことと「できない」ことは違います。
「できないこと」を受け入れてると、自分が期待してしまって裏切られてイライラするということはかなり減少します。そしてできることも見えてきたりします。
パートナーのできないことを受け入れるのはとてもしんどいことかもしれません。ですが、せっかく好きになって一緒にいるのなら、悪意のない「できないこと」は受け入れて「支えあえる」ことに繋げていけるといいですよね。
その2.環境を整えよう
発達障害の特性を持つ方のパートナーさんにはぜひ環境を整えることをおすすめします。
私自身ASD傾向の夫と結婚生活をしてきて、一人で抱えるのには限界があると思います。
●実家の近くに暮らす
など身近な人に支えてもらえる環境を作ったり・・・
●発達支援センター
●精神科・心療内科
●発達障害のパートナーさんを持つ方のサークル
●カサンドラさん向けのカウンセリング
など、発達障害の方が増加傾向の今は、様々な関連機関があります。
ご自身に合う方法を見つけて、少しでも精神的な負担が減らせる環境づくりを心掛けるとよいと思います。
その3.理解者を増やそう
カサンドラさんは理解者を増やしましょう。
2で紹介した精神科の先生たちや支援センターの方などもそうですが、できれば信頼できる友人や、家族、おなじカサンドラの方など身近な方がおすすめです。
最初は「男性(ASDさんが男性の場合)なんてみんなそうよ~。」とか言われちゃうかもしれません。
だけど、一緒に食事をしてもらったり、ご家族なら家にお泊りしてもらったり、少し長く一緒に過ごしてもらうと理解してもらえることもありますし、些細なことでもその都度相談していると理解してもらえることもあります。
もちろんわかってくれない人もいますが、理解してくれる人もきっといると思うので、少し愚痴れるくらいのあなたにとって心のよりどころにできる方を増やしてみてください。
その4.自分軸を大切にしよう
ASDさんと過ごしていると、定型発達の方が持つ価値観や考え方・一般常識などと考え方が異なる時があり(もちろん価値観は人それぞれですが)、 そこにさらにASDさんの持つ「人の気持ちを察することが苦手」という特性が加わって、ASDさんが自己中心な行動や言動をとってしまうことにより、パートナーさんは困惑することを繰り返し、結果として自分に自信がなくなって自己肯定感が下がってしまったり、「自分がおかしいの?」とそれまで自分が軸としてきた価値観の感覚がよくわからなくなってしまうことがあります。
ですが長年をかけて培ってきた自分軸がぶれてしまうと、パートナーさん自身が不安定になるし、自分自身の価値観が信じられなくなってしまいパートナーさん自身の生きづらさに繋がってしまうかと思います。
なのでまずは「自分の考え、自分軸」はしっかりと持ってください。
その上で、パートナーさんは発達の特性があるということを理解し、その人と過ごす時の価値感や感じ方を新しく構築していくといったイメージがよいかなと思います。(あくまで私の経験談ですが、私はこれでかなり過ごしやすくなりました。)
発達障害の特性を持つ方にあなたの軸を押し付けるわけでもなく、あなたが相手の価値観にすべて合わせるわけでもなく「二人でいる時専用の考え方や価値観」をゆーっくり構築していけるとよいですね。
長くなってしまうので、続きはカサンドラ対策 後編で☆
カサンドラ症候群は本当につらいし大変です。カサンドラ症候群の方は本当に頑張って日々を過ごされていると思います。毎日ひとつでも自分を褒めてすごしてみてくださいね。
お読みいただきありがとうございました。今日もあなたが笑顔でいられますように。